しじみの小部屋

猫と人の暮らしのblogです。

【記録3】私達のお姫様しじみへ。愛を込めて。



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今回は葬儀に向かうまでどう過ごしたかについて書きます。しじみがしじみのままでいてくれる本当に最後の時間でした。

 

火葬は希望の翌25日は朝9時と16時しか空いておらず、16時に予約しました。奇しくも16時はしじみの「甘えん坊タイム」が始まる時間です。

私が家で仕事をしていると、しじみはまるで計ったかのように必ずと言っても良いほどそばに来てかまってちゃんアピールをしていました。私が居ない時はもちろんチーに。

時に15時に早まった時は「事件」として夫婦間で報告し合うほどでした。

 

私達が愛したふわふわの触り心地の愛らしく美しいしじみに触れられるのは残り24時間。このほぼ丸1日、というのは変な表現ですが私達にはちょうど良かったです。

それより早いと気持ちの整理が付かず離れ難かったし、それより長いとまるで眠っているかのようなのに、もう起きる事は無く体温を失ったしじみを見ているのは辛かったかなと思いました。

 

しじみを綺麗にした後、白色のバスタオルに包んだしじみを例の用意した棺を組み立て横たえました。

それから夫婦揃って花を買いに出かけました。駅近の花屋さんには納得出来るものが無かったので、チーが調べてくれた評判の良い隣町まで行きました。

ひとつも妥協したく無かったので、アレンジメントや花束で準備されたものではなく、しじみに似合う花を急いで、でも真剣にチーと一緒に選びました。

いったいどのくらい買えば棺を埋め尽くすくらいになるかわからなかったのですが、とりあえずひとかかえほど選びました。

 

深く思考する余裕が無かったので、帰宅後しじみの周りをすぐに花で飾るつもりでしたが、お花屋さんで直前の方が良いと言われ、確かにそうだと気づきました。そりゃそうだ。人の時もそうですよね。それにそんな事したらしじみを抱く事も出来ません。

なお、これも家に帰って気づきましたが、しじみと暮らし始めて暫くしてから、しじみがテーブルにあがるので(危険な花を選別して飾るのは面倒で)もう花を飾る事は無いと大きめの花瓶はぜんぶ処分していたんです。送り出す準備を完璧にシミュレーションしたつもりがどこか抜けています。

仕方ないので無印良品のバケツにとりあえず生けました。

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バケツ…となりましたが、ミモザを選べたのは嬉しかったです。ミモザは私の中でしじみのイメージにぴったりの花のひとつ。可愛らしさと際立つ個性がしじみと似ています。ミモザの黄色に合わせて、白いお花を選びました。白といえば、の霞草はしじみのイメージじゃありません。華やかさを感じるお花を中心に選びました。

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しじみの多面性の魅力を表すのに、棺の中をしじみを挟んだ半分づつで違うイメージにしたかったので、あまり写真に写っていませんが、鮮やかな色のお花も選びました。

また、棺の上に飾る花はチーが華やかな大輪の薔薇を選びました。夜に撮ったので不気味な色に写って残念・・・鮮やかなピンクです。f:id:hiraryo0201:20240309214409j:image

 

お花を準備したら次は棺に入れるものを選びます。葬儀の担当の方から、しじみちゃんが生前好きだったものをお待ちください、と言っていただいていたのですがこれがけっこう頭を悩ませました。

 

しじみはおもちゃで遊ぶことはほとんど無く、家のあちこちにお気に入りの場所があったものの棺に入れるにはそぐわないです。

考えた末「首高め」が好みだったしじみの為に作った枕とお魚の形をした蹴りぐるみ、それと黒缶のパウチをいくつか、もっと何か無いかと考えましたが…しじみがいちばん「好き」だったのは私達だよね、との結論に至り、しじみと私達が写った写真をレイアウトした、しじみへの愛や感謝を綴った手紙を準備しました。一緒には行けないけど私たちの思いを連れていってね。

 

 

泣いて泣いて泣きじゃくりながらの準備でしたがこんなほっこりも。

f:id:hiraryo0201:20240309215422j:imageおいし♡

チーが置いたお水をのんちゃんが飲みに来ましたよー。

全て準備し終えたのは20時近くだったかな?「お通夜」の始まりですね。気づくとチーがドライも置いていました。

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キャンドルを灯し続け、交代で一晩中起きているつもりでしたが明け方に2人共限界が来てしまったのでLEDのランタンに切り替え、家族みんなでリビングで眠る事にしました。これが本当に最後の夜です。しじみが元気な頃は家族皆んなで寝室で眠っていました。休日の朝寝坊は至福だったな。

 

翌朝は棺をソファーに置いていつもの様に隣に一緒に座り過ごしました。しじみが棺の中でもう呼吸していない事が信じられなかったです。まるで眠っているかの様でした。

棺の天蓋を全て開けて全身を撫でながら愛や感謝を伝えたり、このブログの最初、出会ったばかりの頃を読み上げたりもしました。

半分だけ開けて、そろそろ起きて?しーちゃん、などとお願いしていたらあっという間に時間が過ぎて行きました。

 

葬儀場に向かう前にチーの発案でルームツアーをしました。

しじみと暮らした8年9ヶ月、好奇心旺盛なしじみは家のあちこちにお気に入りの場所があり、様々な所に出没しました。

部屋の中は勿論、押入れの中、クローゼット、お風呂やトイレまで。どの部屋、どの場所にも私達を笑顔にしてくれたしじみの姿が鮮明に浮かびます。愛しいエピソードがあります。

しじみを抱いて、全ての部屋・場所を見せながらチーと2人で思いつくままに色々な思い出や、その時どんなに可愛いと感じたかなどを語りかけました。

 

以前もブログに書きましたが、しじみが来なくなった2階が辛過ぎて殆どの物を処分したので、しじみを連れて思い出を語るルームツアーの時はすでに様変わりしていました。

特に2階の和室は仕事部屋だったのとケージもあったので色々な思い出が詰まっていました。しじみを迎えた時に最初に過ごして貰ったのもこの部屋です。

しじみが何回も登ってきて邪魔をするので仕事が出来なくて困った愛しい思い出が詰まるデスクも処分し買い替え、仕事部屋は寝室に移動したので和室はほぼ空っぽ状態。

 

話は変わりますが、私は家のレイアウト変えが好きで、たまに思いつくとガタガタあれこれ家具を移動しました。すると決まってしじみが何をしているの?と興味津々で監督してくれていた事も思い出されます。

しじみ監督に、どう変えようしているのか説明していると、しじみはちゃんと理解してくれているような顔をしていました。そして終わった後は必ずしじみが「興味津々」「わくわく」といった感じで見て回っていました。

 

ルームツアー中も、しじみに、なぜ変えたのか説明したり、新しいデスクを見せて、ほら、こんなに変わったんだよ?しーちゃん多分ここ気に入ったよね?などと話しかけていると、今さらながら動くしじみにもう会えない、しじみは眠っているわけではない、との実感が込み上げました。

けれど、夫婦で口々にしじみに話しかけ、泣きながら、時に泣き笑いしながらルームツアーをした事は送り出す上でやって良かった儀式でした。

私達は家族揃っていつも楽しくおしゃべりしていました。同じ言語は持たずとも、確かにしじみと会話していました。私達の話をちゃんと聞いていたしじみに。

理解しようとしていたしじみに。

思いを伝える最後の過ごした方としてこのルームツアーは最適だったと思います。同時に、こんな事を思いついたチーのしじみへの愛が苦しい程でした。チーはしじみに見せ忘れた場所が無いかと何度も家の中を確認していました。

 

 

出発の時間が迫り、いよいよ花でしじみを送る準備を始めました。

足りるか心配でしたが、私の理想どおり「ぎっしり」という感じで棺の中を埋め尽くす事が出来て、ただでさえ華やかで可愛らしいしじみがより引き立ってホッとしました。

 

棺の蓋はチーが選んだ薔薇をリボンで結えたものを置きました。もっと綺麗にラッピングするつもりでしたが延々とルームツアーをやっていたので時間が迫っていたんですねー。

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ちょっとした悶着もありました。

お着物を持たせたい私と、そんなの殆ど着せてないし、しじみちゃんがそんなの着て天国行ったら驚かれるよ。それにそれ着て会いに来てくれたら僕気づかないかも、なんて言うチーとで意見が別れたんです。

結果、チーが折れてくれました。そして、最後の最後に封筒に2人で考えた宛名を書きました。「私達のお姫様 しじみへ。愛を込めて」

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さぁ、葬儀場に向かう時間です。この日は雨で、しじみが大好きだったお日様は出ておらず残念な気持ちと、なんとしてもこんな日を迎えたく無かった私達の涙雨に包まれて見送れる様な気持ちとがありました。

 

今日も長くなりました。続きはまた明日。

 

しじみちゃん、あなた、最後まで眠っているみたいにしか見えなかったから、私ったら何度も起きて起きて起きて起きてと繰り返しながらしつこくキスをしてうるさかったね。ごめんね。でもわかってくれるよね。それに私のウザ絡みは毎日の事だったしね。

 

しじみの「なぁに?」の表情がだいすき。

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