昨日の続きです。(出来るだけ)嘆きは心にしまい、記録とします。また、すごく長くなったので、今日はしじみの事を。明日はののこの事を記録します。
【しじみの病理検査結果】
先日摘出した肺の腫瘤は病理検査の結果、肺腺癌でした。
肺原発の上皮性腫瘍であり悪性に分類される、という病理組織の検査結果です。
肺腺癌だった場合の予後は、手術をした症例の生存期間中央値115日、という検査前に聞いた説明が頭の中でガンガンと鳴り響きました。
実際には、先日説明を受けた際、手術中の開腹写真で見た摘出した腫瘤が明らかに嫌な印象しかなかったのと、確定診断が出るまではっきりとは言われませんでしたが、先生の説明の端々から感じるものがり、あの日からずっと繰り返し頭の中に浮かんで不安でした。
ですから、どこか「やっぱり」と思う気持ちもあります。
以下、検査報告書や解説は3枚にわたり非常に長いので嚙み砕いた抜粋です。
・①切除した左肺前葉の腫瘍について
上皮性細胞の腫瘍性増殖からなり、異形成は軽度~中程度ないしは中程度であり核分裂像は散見される。活発に増殖していることから悪性に分類される。
▶マージン込みの評価は、マージン(±)。※余裕もないが足りていなくもない。
・②追加マージン組織について
腫瘍細胞は認められない。ただし、肺胞上皮の腫大・増生が生じている。病理発生の特定には至らないが、直ちに腫瘍性変化とされるだけの組織所見ではない。①とは異なり、肺内転移病巣ではない。
①と②の検査結果をさらにごく簡単にまとめると
・現時点では癌はとりきっている。
・現時点では転移はしていない。
・しかし今後の転移の可能性もある。
という状態でした。
肝心の今後ですが、肺腺癌は基本的に外科的手術以外、「これは効果的」と断言できる治療法はないそうです。どの癌だったらマシ、という事はないですし、そんな事を言っても意味がないのですが、なぜしじみは猫としてはそう多くない肺の癌などに侵されてしまったんだろう・・・と思わずにいられません。
先ずは向こう3ヶ月間は毎月、その後は3ヶ月に1度程度、癌が転移していないか検査を行う必要があります。
他には、「可能性にかける」という考えのもと、抗がん剤での治療という選択肢があります。
▪抗がん剤簡単MEMO
・抗がん剤は錠剤タイプと注射タイプの2種。
→先ずは錠剤から始める場合が多い。
・効果は、個体(事例)による。
→大きな期待は出来ない。
・副作用も同じく。
・はっきりと「効果がある」と言えない為、始めた後も判断が難しい。
→今後必要になる定期健診で癌が再発しない場合、薬の効果なのか、単に転移していないのか判断が出来ない。
→癌(腫瘍)は切除している状態なので経過観察し、雲行きが怪しくなってきたら始めるという選択肢もある。
私もチーも考えは同じです。「可能性にかけ手を尽くす」。この選択肢しかありません。抗がん剤治療を始めようと思います。
ただし、退院後のしじみの体調に波があったため、本来ならば抜糸だけの予定でしたが、再度改めて血液検査・超音波など検査していただくと、追い打ちの様で非常に悲しいですが、また膵嚢胞に水が溜まってきていました。
1度CTスキャン検査で全身麻酔をした際に中に溜まった水を抜いていただきましたが、またすぐ溜まりました。
溜まった=抜くという処置は、ハイリスクで何度も出来る事では残念ながらありません。
今回の抗生物質での下痢もそうですし、甲状腺機能亢進症治療のためのメルカゾールも副作用が激しくでてしまい、続ける事が叶いませんでした。
どうやら、しじみは非常に薬の副作用が出やすい体質の様です。
術後、体調の波が激しかったのと、膵嚢胞の状態と併せて、抗がん剤治療はしじみの体調が安定してから始める事にしました。抗がん剤の詳しい説明なども含め、次回の検診時に改めてきちんと相談する予定です。
しじみはこれで
・甲状腺機能亢進症
・慢性膵炎(+嚢胞)
・肺腺癌
という病と共存していかねばなりません。出来る事はなんでも、と考えていますが、病と闘う、延命、という事よりもQOL「しじみが美味しくご飯を食べられて、毎日をしじみらしく過ごせる事」に重きをおいて判断したいと考えています。肺腺癌という病の性質からも。
その点は先生にも言われましたし、常に自分に言い聞かせたいと思います。
それにしても、とても良い先生に出会えたとありがたく思っています。
チーが午後から仕事だったので、急に予定を入れた検査と都合が合わず、先生のご厚意でとっくに病院が終わっている19時に再度迎えに行きました。
今一つの体調だったしじみですが、点滴もしていただき少し盛り返していそうでした。先生達にもニャアニャアと話しかけていたそうです。
しじみは歳をとるにつれ社交的になっている気がします。笑
検査の結果、薬を出していただく事になり待っている間に撮った写真。ピンボケですが可愛らしいのでそのまま載せますね。
しじみ、頑張ったのよーーー
しじみ、ここから出ていい??
まだ帰らないの?
帰宅中の車の中では私の手にしばらくすりすりと甘えたのち、そのままもたれてスヤスヤ眠っていました。
いとしい、いとしい、私のしじみちゃん。
なお、帰宅後はすっかり復調し、もりもりと晩ご飯を食べてくれました。
良く食べて
良く寝て
たくさん甘えて欲しいです。
なんと12gをペロリ!すごい!
海水浴姿じゃなくなりましたが、新しい保護ウェアを購入しました♡これはこれで似合っていてカワイイでしょう?
お気に入りのスポットで熟睡。
ご参考までに。
【しじみの9月の医療費_通院計3回】
・手術前検査 ¥16,280
・手術 ¥258,581
※追加の費用がかからなかったので最小で済みました。
・術後検査他
→受付が閉まっている時間だったので次回の支払いとなり不明ですがこれまでの経験上、2万円前後、かかっても3万円以内程度かと思います。
未払い分も含め、しじみはの医療費は約30万円程度。
明日、詳しくは書きますがののこの検査には約18万円程度かかったので9月のしじののの医療費はTOTAL約50万円弱という事になりそうです。
(ただし、保険でおそらく13万円程度は補填されると思います。)
他にも様々な諸経費がかかったのでなんだかんだで出費が嵩みました。
今後も2匹の定期的な検査費用と薬代で毎月5万円程度の支出はあるかなと思いますが、出費に関しては大きな一山は超えて、ホッとしています。
とりあえず動物医療を全力でやりきりたいとなると、経済力が必須なのは間違いないですね。
我が家は夫婦揃ってそれぞれまぁごく平均的な所得であり、決して自慢出来る高給取りではありませんが共働きなのでなんとかお金が回る、というのが実情です。
それから、調整は必要なものの平日に病院に連れていける(有給をとりやすい)環境も。
最後に
今回、もともとは膵炎の嚢胞で癌を疑い麻布大学付属動物病院を紹介いただき、その検査の中で偶発的に肺に腫瘍らしきものが見つかりました。
半年間経過観察を続け非常にゆっくりとではあるが大きくなっている事から検査手術に踏み切り、結果的に肺腺癌だったのです。
その為しじみの例は超早期発見の部類に入ると思います。
そもそも膵嚢胞で高度医療センターで出来る事はない、という診断で麻酔のリスクを考えその時はCTを撮りませんでした。
ですが、かかりつけ医の勧めで、結局、麻布大学付属動物病院でCTをとり、その事が早期発見に繋がった事を考えると、信頼する獣医師の存在(率直な提案など)とのご縁も大きなポイントだったなと感じました。
私達の「出来る事は全てやりたい」という「全て」を理解した上での提案で、背中を押されなかったら、今回の早期発見はあり得ませんでした。
私も夫も猫と暮らすのは初めてでわからない事だらけです。
いくつかの動物病院を渡り歩き、ここなら、とようやくかかりつけとなった病院です。
敢えて性別などは書いていませんでしたが、かかりつけの病院のしじののの主治医はまだ若い女性の獣医師で真剣さ・熱心さ(若いならではの熱量)が伝わり、夫婦そろって安心して診ていただいています。
そういった出会いの運も含めしじみの生命力を信じます。
※補足|高度医療センターを悪くいう意図は一切ありません。検査設備も整っており、しじみの嚢胞に打てる手はなかった事からもちろん誤診でもありません。というか、しじみの膵炎に関しては「100%正しい診断結果」でした。
その為、伏せてもわかる事ですし、そのままセンター名を書いていますが中傷の意図は微塵も含んでいない事をここに誓います。